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2022/09/22

京都の白生地屋さんを訪れて・・・

こんにちは

きもののほそみの栂井です。

 

皆様おかわりございませんか?

長かった夏もやっと終わり

涼やかな虫の音に秋を感じるこのごろですが

日中はまだ真夏のような気温になる日もあり

日傘が手放せない毎日です。

 

先日、京都に染めの工房と白生地屋さんに

研修に行ってまいりました。

 

正絹(しょうけん)の素晴らしさを

一人でも多くの方に知っていただけたらと思い

染める前の白生地について

詳しく教えていただきましたので

ご紹介させて頂きます。

蚕が吐き出す糸を束ねた生糸で織った白生地は、

糸の練り方や組織(織り方)によって様々な

表情が生まれ、種類は無限大。

 

織りあがった後で染められることから

後染め織物といわれています。

 

私の母の時代は白生地を持っていて

好みの色に染めるというのが

一般的であったように思いますが、

今ではお家に白生地を持っている方は

ほとんどおられない時代になりました。

 

ちなみに着尺1反に必要な生糸は繭約2,600粒

生糸約1kg、蚕さんの食べる桑の葉は約98kg

だそうです。

 

私の嫁いだ家も昔、蚕さんを飼っており

3階には天井の低い蚕部屋があり、

蚕さんに与える桑の葉を

箱に入れお世話していたと話を聞いたことがあります。

今、3階はこうもりが住んでおりますが・・・

 

私がこの仕事をしているのも

何か不思議なご縁を感じます。

 

そして、生糸の太さは中(なか)と表され

例えば(26中)とは平均26デニールの糸のことをさしているそうです。

デニールとは9000m=1gのいとの太さのこと。

人間の髪の毛は約50デニールといわれていますので

 

26デニールという事は髪の毛の約半分くらいの太さ

ということですね。

 

白生地のなりたち

 

蚕の体から吐き出される糸は1.2km

眠りと脱皮を繰り返し、繭を汚さないように

一生に一度だけ尿を出して繭を作りはじめるそうです。

 

蛹になると繭から出ることなく殺蛹されて一生を終えます。

生糸は蚕の命を犠牲にして得られるものです。

 

品質がよくより長い糸を求めて、古くから品種改良が行われてきた小さな家畜です。

そのため蚕は一頭二頭と数えられるそうです。

 

〜製糸〜  

 

蚕から繭を作る養蚕と、

その繭から生糸(絹)を作る製糸業を

取りまとめて蚕糸業(さんしぎょう)といいます。

 

繭はお湯でたくことで繭糸に含まれるセリシンという

成分が溶け出して糸がほぐれます。

繭から糸を挽き出し、必要な太さにまとめられたのが

生糸です。

 

撚糸・機織

 

織物は縦糸(たていと)と緯糸(ぬきいと)

を交錯して作られます。

縦糸、緯糸ともに必要な糸の太さにされ、

縦糸は機に仕掛けるため製経という作業を

緯糸には撚糸(ねんし)という作業が行われます。

撚糸は戦国時代に中国から伝わった技術で、

糸の太さや織物の種類に応じて、

1mあたり数千回の撚りがかけられ、

ちりめん独特の細かい凹凸(シボ)ができあがります

この凹凸(シボ)が着たときのシワになりにくくて

しっとりとした肌触りを作り出しています。

 

精錬

 

生機(きばた)の状態では、

まだ絹糸の表面にセリシンが残っていて

セリシンのついたままの生糸は硬くて色も悪いです。

 

精練は生機を弱アルカリ溶液の入った釜で炊き、

水洗いする作業を4回繰り返すことで

絹本来の白く柔らかなちりめんに仕上げていく

大事な工程です。

 

この工程で問題があると染めムラなどを生じ、

これまでの工程が無駄になってしまうそうです。

 

着尺の場合、長さは約13mにもなりますが、

決して数値化することのできない

職人さんの経験と技術のおかげで、

ムラのない均一な精練ができるそうです。

 

撚糸・精練ともに欠かせないのが

やわらかい水と湿潤な気候です。

丹後や長浜がちりめんの産地といわれる所以は

そのためで、

土地の風土に合った白生地が出来上がります。

 

仕上げと出荷

 

精練後の白生地は生地同士が擦れたり

折れが生じないように

水洗・脱水され乾燥機にかけます。

 

同じ白生地でも乾燥の方法によって

違う仕上がりになるそうです。

 

白生地に問題が無ければ幅出しを行います。

その後シワを取りアイロンを掛け

仕上げ、検反機にかけます。

そして、

厳重な検査を経た合格品が大塚さんの白生地です。

 

10月のイベントでは

この大塚さんの白生地にこだわり、お染した

着尺を手にとって見ていただけますので

是非、見にいらして下さいませ。

 

 

そして、今では正絹でなくてもシルックや、

ポリエステルのきものもあり

自宅でお洗濯ができ、扱いがしやすいので

手軽さから着付けのお稽古でも

使用される事があります。

 

着付けの手順を覚えるのには良いですが、

手触りがちがい正絹は滑りやすいので

正絹のきものもお稽古に交えてされることを

おすすめします。

 

礼装用で着用されるきものは正絹です

 

せっかくお稽古したのに

滑って勝手が違い時間に間に合わず焦った

という経験も私自身しておりますので・・・

 

正絹のきものは生きているということをよく耳にして

きましたが

蚕さんの命を頂いていること、

多くの職人さんの技術工程を経て

私たちの手に渡っていることを

知ることができました。

正絹のきものは高額ですが

通気性、保湿性に優れており、

なめらかで上質な肌触りで

肌に優しく、絹独特の光沢があります。

お家に眠っている正絹のおきものはありませんか?

また、お母様、お祖母様から

譲り受けたおきものでも大丈夫

利用して

着付けを習っていただけると嬉しいです。

 

こちらの記事も読まれています。 
▶きものの半衿の種類・季節などについて
▶きものにまつわる伝統文様

 

10月からは秋のお稽古もはじまります。

また、前結びのデモンストレーションがゆめタウン店にて

ございますのでぜひ足をお運びくださいませ。

 

まずは、無料体験会がありますので

お申し込みお待ちしております。

 

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