着つけの要は襦袢
みなさん、こんにちは。
きもののほそみの細見です。
蒸し暑い日が続いておりますが
いかがお過ごしでしょうか??
今日はきものを着る上で必ず必要になる
襦袢についてお話したいと思います。
襦袢のルーツを遡れば、伝統的な肌着だった膝丈の小袖だったようです。
なぜ丈が短かったかというと…
袴を着用していたために上着の丈は短くて良かったわけです。
当時は白ざらしの麻を用い、肌着・肌付・肌衣・どてら などと呼ばれていましたが
400年ほど前に南蛮文化とともに日本に入ってきたポルトガル語の「ジュボン」とか
「ジュポン」という言葉があてられ、それが訛って「ジュバン」となり後に
【襦袢】という当て字を付けたということです。
さて、きものの着付けにおいて襦袢はとても重要な基盤です。きものを着たときに
襦袢の衿元が動くようであれば、きものの衿合わせが歪みます。きもの姿の着崩れは
襦袢の衿元からはじまるのです。
きもの姿の人を見ると、衿元の衿合わせと後ろの衿のぬき具合に目がいきますね。
自分の着姿を見るときにも、衿元に手がいったりしてませんでしょうか?
「縦の繊維で織られた布を、横の紐でいかに滑らないように留めるかを考えるときです。
強い力で縛って留めるのではない。」と幸田先生は言っておられます。
着崩れない着付けの重要なポイントは?
1. 自分の身に合った寸法を知ること
きものは抱き合わせて着るので体重が6キロ前後増減しても大丈夫だと
言われていますが、それはもともと自分に合った寸法に仕立ててあることが基準であります。
人によって首の太さや、肩幅の広さ、張り具合、バストや腰の厚さや横幅、腰の高さなどが違います。
まずはそれを知ることが着崩れない着姿のポイントの一つになります。
2. 8割まで凹凸をなくす体型補正をすること
着姿を美しくし、着崩れないためには襦袢を着るまでの補正が大切です。
補正で着姿が決まると言っても過言ではありません。
凹凸をなくすことで余分なシワが出来ず綺麗にきものを着ることが出来ます。
3. 襦袢の衿合わせをしっかりすること
強く紐を縛ることではなく、背中心を確認し衿元のクロスの位置を首の中心に合わせ、
バストラインの脇で左右の衿が同じ高さであるかを確認しながら合わせます。
そうすることで衿合わせがきれいになり、着崩れを防ぐことが出来ます。
4. きものと襦袢の寸法が合ったものを着用すること
衿肩あきや、くりこし、身幅、裄、袖丈などが合っていることで上に着るきものも美しく着ることができます。
特に、衿肩あきとくりこしが違うと衿同士(襦袢ときもの)がうまく添わず、
きものと襦袢の衿に隙間が出来て着崩れがおこしやすくなります。
「せっかくきものを作ったのに手持ちの襦袢と添わない…」
「出かける時は白い衿がしっかり出ていたのに気づくと襦袢の襟が奥に消えてしまっている…」
「きものの袂から襦袢が出てきてしまう…」
などきものを着ると時には様々な悩みが出てきますよね。
上記で書いたことを少しでも意識して着付けをすると着崩れを防ぐことができますので
ぜひ実践してみて下さい。
また、これからきものを新調するのであればご自身に合った寸法をしっかり測り、
襦袢もきものに合わせて新調するか今お持ちの襦袢を仕立て直すことで
より綺麗にきものを着ることが出来るかと思います。
これだけきものを着る上で、欠かせない
そして美しい衿元をに仕上げるのに重要な役割を担っている襦袢は
きものに比べて無関心すぎるほど無頓着な方が多いように感じます。
前結びの教室ではきものの着方、帯結びはもちろん長襦袢の着方もカリキュラムに含まれております。
まずは土台の補正・長襦袢の着方を整えることで、はじめてきものを美しくきれいに着ることが出来ます。
専門的な言葉をたくさん使用しましたが、教室ではきものの各部分の名称なども教えております。
ぜひ興味のある方はご参加してみてくださいね。
現在は襦袢といえば、肌襦袢・半襦袢・長襦袢を指しますが
肌襦袢に始まり、半襦袢となり丈の長い長襦袢になってからは室内着となり
寝室用の衣服へと移行していきました。
男子の長襦袢には粋な柄使いや大胆な図柄のものもあり、大半は絵画のような素描のものです。
女子の長襦袢は、華やかさを演出するような鮮やかさで寝室内の美を求め、
異性の関心をひく効果を考えて用いるようになり、美しい情緒的なものとして発展していきました。
襦袢は昔も今も、ただの下着ではなかったのです。
やはり女性の美の追求は下着からはじまるのです。
幸田先生のお言葉より
こちらの記事も読まれています。 ▶着物の種類について ▶半幅帯の文庫結びってどんな結び方
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